固定メニューに救われた話

どちらかというと、私は食には執着しているほうだ。人生の中でご飯を食べられる数は決まっているし、毎日、おいしい夜ご飯を食べることは大切だと信じている。旅行先では行きたいレストランがありすぎて絞り込むのに苦労するほどだ。ただし、作ることには興味がない。食べることが好きなだけだ。最近は日本から持ち込んだホットクックを使って、固定メニューを作り置き・ローテーションするようにした。

日本で暮らしていたらこうはならなかったかもしれない。あくまで、外食が高価、または安価だが美味しくない、加えて娯楽も少ない国(アメリカ)での体験である。

私の住んでいるエリアには値段と味が見合うレストランがないし、帰り道にテイクアウトしたいファストフード店もない。Uber Eatsはやけに高くつく。冷食は食べたくない。よって、日々の食事の選択肢は自炊しかないのである。今までは仕方なく帰宅後に料理していたが、一度意図せず作りすぎてしまった無水カレーが残っていたので、帰宅後に夕飯として食べることにした。しっかり温め直したら美味しかった。加えて、帰宅後すぐにご飯にありつけることのありがたさに気がついた。毎日帰宅後に自炊したくないけど、それなりに美味しくて栄養のあるものが食べたいと思ったら、これがいまの最適解かもしれない、と感じ始めた。帰宅途中に、今日は冷蔵庫に何があったっけ?何を使わないといけない?と考えることからも解放された。

スーパーに買い出しに行くことをあまり楽しい行為だと思っていなくて、どちらかというと仕方ないから渋々やっているだけだ。お店で迷うのが苦痛で、常にリストを作ってからしか買い物に行かない。固定メニューの中から選んで2日に一回作ることにしたら、使う食材も固定されてスーパーに行くストレスが軽減した。

最近(2026年4月現在)の具体的なメニューは

ホットクックを使用するもの:トマト缶無水カレー、ミートソーススパゲティ、サラダチキン、ローストビーフ

ホットクックを使用しないもの:味噌汁、銀鱈の味噌漬け、冷凍餃子、蒸しブロッコリーとゆで卵

冬はすき焼き風煮や鍋が追加される。

ローストビーフと銀鱈の味噌漬けはコストコで大きな肉の塊・魚丸ごとを買ってきて自分で味付けをして冷凍保存してある。前日から12〜24時間かけて冷蔵庫で解凍して調理する。サラダチキンは冷凍した鶏肉だと美味しくないことが判明したので、1パック2枚入りの鶏胸肉を買ってきて、1回ですべて調理するようにしている。ローストビーフとサラダチキン単品だけでは物足りないので、気分によって蒸しブロッコリーとゆで卵や味噌汁を作る。この辺りは帰宅後10〜15分でできるしキッチンも汚れないのであまり苦ではない。ブロッコリーはキッチンバサミで切るし、豆腐、油揚げ、ネギは切って冷凍してあるので包丁も使わない。平日にこれだけ思考を排除した食生活をしているので、休日は固定メニューの買い出しがてら好きな食材を買って調理していいことにしてる。でもキッチンの掃除や片付けを考えると、やっぱり作ってまで食べなくてもいいかも?と思う日も増えてきた。

さらに、ホットクックの思わぬ恩恵は、キッチンが汚れないことだ。ミートソーススパゲティが一番わかりやすい。先に挽肉を炒めてから野菜、トマト缶を追加するが、肉を炒める行為でさえ鍋の中で行われるので油が飛び散らない。ミートソースを作るとなるとそれなりの大きいフライパンが必要で、洗うのも面倒なのだが、ホットクックは内釜だけ手洗いだが他のパーツは全て食洗機に入れている。加えて、全てをホットクックの中に入れるので菜箸や小さいスプーン、野菜を切り分けておくボールなども不要で、最低限の洗い物で済む。

欠点があるとしたら、ガス火でステンレスのフライパンを使って調理するのとは違った仕上がりになることだ。私の場合は、ホットクックで調理した後にステンレスフライパンで温め直すことで解決している。例えばローストビーフの焼き目や、ミートソースとパスタ麺を馴染ませる時など。多少油が跳ねるが、その場で拭いたら綺麗になる程度なので、おいしさのトレードオフとして受け入れている。

食べるものが事前に決まっていると、幸福感が減るのかと思っていたが、実際はそうではなかった。空腹時にスーパーに行くと余分なものをアレコレ買ってしまうのと同じ理由で、私は空腹時に調理するとまともな判断ができていないことを学んだ。作りすぎたり、時短を重視してパスタばかりになっていたり。固定メニューを利用することで、空腹時に意思決定しなくて済むようになった。例えば今日、明日の食べるものが決まっていても、明後日のメニューは未定なので、そこで食べたいものを食べればいい。むしろ、毎日の”夜ご飯どうしよう””明日お弁当に何持って行こう”から解放されたことで心的負担が減った。

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