精一杯生きているつもりだが、自由時間がない毎日に納得できなかった。
残業があるわけでも、通勤時間が長いわけでもない。起床、仕事、スマホ、就寝。合間に家事。
8時間睡眠、8時間仕事、残りの8時間がどこに消えているのかわからなかった。
最近、勤務時間を1時間遅くずらして11時から夜7時まで働いている。
個人的なこだわりがあったわけでもなく、この勤務時間の方が稼げるよ、と言われて納得して変更しただけである。
ゆっくり起きられてラッキー、ぐらいにしか思っていなかったのだが、実際は朝型の生活習慣が身についており、朝7時頃には目が覚めてしまうことが発覚した。
10時から勤務していた時と変わらず、7時半に起床、8時から30分間犬の散歩をする。犬の散歩の効果は偉大で、毎日日光を浴びてリズム運動をすることで、体が強制的に目覚め、頭もスッキリするのである。帰宅後に疲れていることを想定して、出勤前にはホットクックを仕込んだり、掃除をしたりしていた。帰宅後、出勤前に作った夕食を食べながら、ソファでズルズルと吸い込まれるようにスマホを見る日々。渋々、11時頃スマホをリビングに置いて寝室に行く。今日も帰宅後はスマホ以外何もできなかった、と思いながら寝る日々であった。
最近仕事中に聴くポッドキャストが尽きてきて、日本語のオーディオブックのサブスクを開始した。そこで精神科医の樺沢先生の”神時間術”という本に出会った。あまり自己啓発本を読んだり聞いたりする類ではないが、なぜか関連本に出てきた。さすがに”神”は少し胡散臭いと思ってしまった。そんな心配とは裏腹に、探していた8時間を見つける方法を学んだ。
まず変えたのは朝の時間の過ごし方。起床後の犬の散歩後というのはやけに目が覚めて、脳がスッキリしていることは実感していた。休みの日の昼間に散歩に行く時とは違う、何か特別な覚醒具合だ。朝イチで日光を浴びるとこうなるのか?と思っていたが、この現象には脳のゴールデンタイムという名前があった。起床後2〜3時間、脳が最も集中できる時間帯のことだ。そうとなれば、朝から料理をしている場合ではない。自炊歴10年、集中していなくてもそれなりに美味しいご飯を作ることはできる。ましてやホットクックを導入した今、やることと言えば食材を切って調味料を入れてスタートするだけ。こういった作業は何も考えたくない、考える気力のない寝る前にこそやるべきだと気づいた。あとは勝間和代に感化されてロボット掃除機を導入した。犬の散歩に行く前にスタートさせて、帰ってくると床が綺麗になっている。こうして、朝の自分のための時間を見つけた。
元々、休日1日目の午前中に頑張って家事、掃除をしていた。貴重な休日に掃除がしたかったわけではないが、今やらないともっとやりたくなくなってしまうと思って仕方なく休日の午前の時間を割いていた。実際は、朝にやらなくていいように、夜にやっておけばいい、それだけの話だった。先述した通り、ホットクックとロボット掃除機を導入したし、洗濯機も乾燥機も入れてスイッチを入れるだけだ。やりたくないな〜、だるいな〜と思っていても、何も考えずにぼーっとしていても、体さえ動かせばできるもんだ。疲れていてもできる作業は、疲れている時にやればいいのである。
ちなみにホットクックは料理をする手間を省いてくれるだけで、決して時短料理ができるわけではない。そのため、帰宅後にホットクックで料理しているとあっという間に夜9時になってしまう。それでは話にならないと思い、夜ご飯は作り置きしてあるものを食べて、片付けをする時にホットクックで翌日(正確には翌々日分と合わせて2日分)のご飯を作ることにした。私は食に執着しているし、毎日絶対に違うものが食べたい!美味しくて温かいものが食べたい!と思っていたのだが、意外とこの作り置きご飯生活を受け入れることができた。帰宅後にご飯を作らなくてもいい生活があまりにも楽なのである。ただし、同じものばかりでは飽きてしまうので、2日以上同じものを連続して食べないで済むように作る量を調節することだけが、まだ少し難しかったりする。
スティーブ・ジョブズが同じ服しか着なかったように、私も同じ服(複数色、複数枚)でしか仕事に行かない。それぐらい、毎日の細かな意思決定が億劫で、仕組みで解決するほうが向いていた。
例えば、何時に目が覚めようとも毎日の起床は7時半。たまに6時半とか7時に目が覚めてしまう日がある。早起きしたから今日は特別に何をしよう?と考えるのではなく、起床は7時半なので、一旦目を閉じる。二度寝に成功する日もあるし、なにかをぐるぐる考えている日もある。そうすることで必ず8時から犬の散歩に行けるし、その後の脳のゴールデンタイムを確保できる。ちょっと早く起きてしまったから朝ごはんを作ろう、お風呂に入ろう、などといつもと違うことをするとあっという間に脳のリソースと時間が不要なものに割かれてしまう。他には、夜9時以降は最低限の灯りで過ごすことにしている。具体的には、天井の照明は全てオフにしてキャンドルだけで過ごす。キッチンや食器の片付けが終わってなかったら、薄暗いなかやるのである。適当に水で流して、食洗機に入れるだけなので実際はあまり困らないことに気がついた。加えて、9時には消灯だからそれまでに灯りが必要な片付け(ホットクックの内釜を洗ったりコンロを拭いたりすること)をやろう、という樺沢先生の言うケツカッチン仕事術でもある。あとは夜10時半にアラームでクラッシック音楽を流す。歯磨きをして、読書をする時間の合図だ。
「まだスマホを見ていたい」「何もやりたくない」という意志ではなく、時間が私の生活の主軸になった。
夜スマホを見てしまうことは決して悪いことではない。夜はスマホをみる体力しか残っていない、ということはアメリカで働く私にとって変え難い現実であり、大切なのはその困りごとを解消するシステムにアップデートすることであった。

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